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【血界戦線】紳士と紅茶を

第3章 告白(下)



 この教会地下施設。マフィアからは守ったけど、クラウスさんとその会社の人には完全に見られてしまった。
 というか部外者を入れている時点で、立派な命令違反だ。
 怖くなる。怒られるだろうか。
 罰として痛覚が数倍になる注射をされるだろうか。
 ぶるぶるしていると、

「安心してくれ。僕らの会社は術士相手の商売もしているから、コンタクトを取りたいだけだ。
 君の要望にも最大限に配慮させてもらうよ」

 スティーブンさんが言うと、イマイチ信用出来ないなあ。
 でもクラウスさんが相変わらず、超不機嫌でしゃべる気配ないし、信用するしかないか。

「あ、あの。でも解除しにくいトラップを見つけたら私に言って下さいね。私が行って発動させますんで」
 オロオロしながら言う。するとザップさんが呆れたように、

「あのなあ。何で真っ先にそういう発想になんだよ。避けるとか、解除方法見つけるとか、そうするもんだろ。頭悪ぃなあ!!」

 うう、ザクザク刺さる。あと肘でぐりぐりすんな。チビだと思って!
「カイナ。君は後ろを歩きたまえ。私のそばから離れないように」
 クラウスさんが言った。声は超絶に低いけど。
「そうですね。後ろから狙撃する系のトラップもありますし」
「…………」
 皆さんの真ん中あたりを歩かされることになった。何故に。

 …………

 地下探索は割と順調に進んだ。
 チェインさんが、トラップやら攻式呪術陣やらを解除してくれるし、ザップさんが血法とやらで鍵を解錠してしまうので。

「うーん。やっぱり、ちゃんとしたのはあまり残ってないかなあ」

 散乱する書類やらを見ながら、私はうなった。
 後でここに来て書類整理とかしておかないと。
 

「君は何で、今になってここに来たの?」

 同じく書類を見ながらスティーブンさんが聞いてくる。
 クラウスさんから自立したくて~というのは、本人が目の前にいるから止めておこう。
 
「『組織』の人たちが、いつまでも私を回収に来ないから、通信機を復旧させて、連絡取ってみようかなって」
「そう」
「それに『組織』の人たちが来たとき、ここが使える状態になってなかったら、怒られますからね」

「君、本当にそうしたいの?」
 チェインさんが聞いてきた。

「当たり前じゃないですか。私は『組織』の一員なんですから!」

 胸を張って答えた。
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