第6章 悪夢の後日談
というより、この精神の研鑽(けんさん)を極めた男に、自分を律することが出来ないわけがない。
つまるところ最初から抑える気がゼロなのだ。
「っ!!」
クラウスさんがハァハァ言いながら、私の下の服に手をかけた。
「ちょっと……待っ……っ……」
足を閉じようとしたが、ズルッと下着ごと剥がされてしまった。
上半身はボタン一つ二つ外されただけで、下半身は素裸。
いつもはもう少し丹念に愛撫するが、今日はホントに突っ込みたくて仕方ないらしい。
「待って……その……っ! ぁ……!」
濡れている場所をそっと指が分け入る。
「待って、いいのかね? やはり君も、私と、気持ちを同じくしているようだが……」
「ん……っ、い、いや、かき、回さない、で……」
目がチカチカする。音がするほど乱暴に弄られ、その刺激だけでイキそうになり、必死にクラウスさんのシャツをつかんだ。
「……っ、ぁ、あ……っ」
指がずぶっと中に入る。慎重に慎重に、私の反応を伺いながら、奥を解していく。
だけど、もう限界だった。
「ぬ、い、て……こんなの、や……」
「カイナ?」
分かってるくせに。涙目で婚約者を睨みつけた。
「もっと、太いの、欲しい、……」
「何が? どこに? ハッキリ、言って欲しい」
熱っぽく耳元で言われた。野郎、普段より私がチョロいからって!
しかし脳内で罵倒すれど、現実には顔を真っ赤にして震えながら、小さく呟いた。
「く、クラウスさん、の……××××を、……わ、わ、私の……ま……×××に、い、入れてほしい、です……」
敵が紳士らしからぬ笑みを浮かべたのを、一瞬見た気がするが。
「承知した」
抱きしめられ、深いキスをされた。そしてベルトを緩める心地良い音がした。
後で覚えてろ!!
心の中で呪うのが精一杯であった。