第6章 悪夢の後日談
「で、結婚迫った方はお咎めなしでいいんですか!?」
相手の罪悪感を喚起しようと必死だけど、熱っぽい表情が言葉を裏切っているかもしれない。
「少しでも君の怒りが癒えるよう、今は誠心誠意を込めて愛したい」
「いやだから! 張本人が――んっ!!」
瞬間に奥まで貫かれ、怒りの言葉は嬌声に変わった。
その後? その後はもういつも通りである。
「やだ、そこ、いじめちゃ、や……!」
「ここかね?」
「! だから、止めてって、……バカっ……!!」
股を開かされ正常位で散々あえがされ、
「んっ、ぁ、ぅ……もっとぉ……っ……!」
「いけない人だ……そんな、声を……」
うつ伏せにされ腰を持ち上げられ、シーツつかんであえがされ、
「ぁ、はぁ、ん、んっ……っ、っ」
「何と魅惑的なのだろう、カイナ。髪を振り乱し、胸を揺らす君は」
上にまたがり腰を振らされ、
「カイナ……っ……」
「ぁ、っ、ぁ、ぁ。……! クラウス、さん、気持ち、いい……もっと……」
もう体位なんて分からないくらい振り回され、あえがされている。
「愛している、私の愛しい人……いつまでも、私の腕の中に……」
「ぁ、ぁ、ぁ……! あ、……ダメ、……っ――――っ!」
中に生暖かいモノが迸り、私は足の指先まで反らせ、ビクビクと全身を貫く快感に震えた。
そしてシーツにゆっくり沈み込む。
「はぁ、はぁ……」
「最高の時間だった……カイナ……」
暗闇の中、気だるい沈黙の内に抱擁とキスを繰り返し、圧迫感が去るのを待つ。
でもクラウスさんは一向に自身を抜こうとしない。
「クラウスさん……?」
いい加減に体力の限界だし、そろそろ眠い。
散々中に出され、身体も洗いたい。
だが相手は私の足を抱え直し、気まずそうに少し微笑む。
「その、君の愛らしさに、まだ収まりそうにない。もう一度、許してもらえないだろうか?」
「許さないです、寝ます」
首を振ったけど、ケダモノはすでに動き始めていた。
「だから……いい加減に……待っ……」
そしてまたベッドが揺れる。
私の声もいつしかあえぎ声に変わり――。
「素晴らしい一夜だった。私の愛おしい人。良い眠りを」
夜明けの光を浴びながら、クラウスさんの腕の中で眠りについたのだった……。