第6章 悪夢の後日談
クラウスさんは目を見開いた。
「…………! 思い出したのかね?」
「ええもちろん! 何から何まで一切合切!!」
するとクラウスさんは沈黙し、ハーッとため息をついた。
なんだその『もう少しだったのに』と言いたげな不満そうな顔は!!
「カイナ。君の記憶が戻って実に喜ばしい」
「棒読みですし! よくも堂々とそんなことが言えますね!!」
伸ばされた手をペシッと払うが、敵はこたえた様子もなく私を抱き寄せ膝に乗せた。
「君の意思を踏みにじり傷つけたこと。私の咎の全てを詫びたい」
「その上からな謝罪、何とかなりませんか?」
分厚い胸板を腕で必死に押すが、敵はビクともしない。
そして……そそり立ったモノを私の腹に押しつけるのを止めろ!!
怒鳴ろうとしたがキスをされた。
「……っ……ん……っ……」
キレて敵を叩くが、巨岩が動く気配はやはりゼロだ。
「殺すっ!!」
散々舌を貪られた後、起こって威嚇した。
だけどクラウスさんはフッと笑う。
さながら毛をぶわっとさせた子猫を見るように。
「何すか!」
「いやすまなかった。怒った君をまた見ることが出来て良かったと。
君はどんな感情にとらわれていても、変わらずに愛らしい」
……プツッ。
「カイナ?」
膝から下りようとした私をすかさず抱きしめるケダモノ。
「離して下さい。私、出ていきますから」
「逃がさない」
声が笑ってるし! こっちは結構ブチ切れてんのに!!
「クラウスさんなんて大嫌いっ!!」
「ふむ。ならばなぜ、君の身体は反応しているのか伺いたいところだが」
畜生め……。
実際、何でまだ濡れてんだ、自分! 膝にのっけられてるから隠せないし!
必死に熱を冷まそうとしてんのに!!
クラウスさんは咳払いし、私をそっと優しくベッドに横たえるとゆっくり足を開かせる。
「君は冷静さを欠いている。そういった大事なことは明日、話そう」
限界を迎えそうなブツを私のアソコに押しつけながら言う。
別れる!! 絶対にいつか別れてやるっ!!
そう決意しながら、私はまたキスをされたのであった。