第6章 悪夢の後日談
そしてまあその後は、ベッドで激しい営みとなった。
……のだが……。
クラウスさんは心底から楽しそうだった。
「カイナ……その、次はもう少し複雑な縛り方をしていいだろうか?」
「この体位を試させてほしい。これは恋人の絆と快感をより高めると、ネットで大変に評価が高く――」
「以前、君のために買った下着だが、次はこれを着用してもらえないだろうか? 出来れば撮影の許可を――」
……クラウスさん、チャレンジャーじゃね?
あと普通にネットやるんですね。どことなく古風なイメージあるのに。
最初は婚約者に喜んでもらいたいと頑張ったけど、だんだんと疲労がたまってきた。
「いえ、あの、わ、私、そろそろ寝たいなーって……」
「安心したまえ。何なら寝てくれていて構わない。君の身体に負担のかからないよう最大限の配慮をさせていただく」
いや、そうじゃなくってさあ……。
だがケダモノは私にきわどすぎるセクシーランジェリーを着せる。ついでに開脚だの四つん這いだの卑猥な格好をさせ写真を撮りつつ、股間は臨戦態勢。
いそいそと箱から次のゴムを出す。だがピタッと手を止め、
「その……カイナ……ひ、避妊具をつけずに挑んでいいだろうか?」
「……はあ!?」
相変わらず手を縛られ、身体をもぞもぞさせながら、私はさすがに目をむいた。
だがケダモノは私の上に覆い被さり、
「君の生理周期は把握している。今日はそのような日では無い」
「何それこわい」
「だが万が一のことが起きても私は喜んで責任を全うする。いや、むしろさせてほしい!」
「いや待って待って。ちょっと待って……」
つか本当に大丈夫な日なのか? ものすごく子供欲しそうだし、色々不安になってくるんですが。
私はほとんど怯えて後じさりするが、クラウスさんは私の肩をがしっとつかみ、
「安心したまえ。以前の君は、こういうとき喜んで受け入れてくれた!」
「えーと……それ本当なんですか?」
「もちろんだとも。私を信じたまえ」
いやちょっと……というか、かなり信じられなくなってきてんですが。
もしかして、私が記憶喪失なのを良いことに好き勝手してるんじゃないか? この人……。
「わ!」
しかし押し倒され、さっき着たばかりのランジェリーを引きちぎられ、抵抗出来る可能性は皆無なのであった……。