第6章 悪夢の後日談
「戸惑う気持ちはあるかもしれない。だが私たちは婚約者で、夜は触れあって愛を確かめ合うのが当たり前のことだった」
とか言いつつ、ズリズリとパンツを下ろしてくる。私は両足を閉じて、冷や汗で、
「いや、でも今はそういう気分じゃ……あとここ、リビングだし……」
「どうか許可を……私の愛する人……」
聞いてねえ! つか、何が許可無しにはやらないだ!
着々と動きを進めやがって!!
「……や、やだ……」
馬鹿力で膝を無理やり開かせ、とうとう下着を脱がせたし!
……そのまんまスカートをまくられ、そっと触れられた。
つか、いい加減に縛ってるのをほどけっ!!
威勢の良い罵倒だけは山ほど浮かぶんだけど、
「あ、あの、でも恥ずかしいし、その……わ、私……」
記憶があいまいで手の自由を奪われ屈強な男性に迫られ、私は完全に凍りついていた。
「安心したまえ。君は特段、何をする必要もない」
いや、返答になってないし。
クラウスさんが私をソファに横たえ、頭の横に手をつく。
さっき出したばかりなのに、股間はすでにはちきれそうな勢いのようだった。
「カイナ……」
ためらいもなく私に口づける。
私を抱きしめ、何度も口づけしながら、足を開かせグイグイと膝で刺激してくる。
「どうか……君の神聖な領域に立ち入る許可を……」
「あ、あの……なら、そろそろ手首縛ってるのをほどいて……」
「そうか、ありがとう、カイナ! 君なら分かってくれると思っていた」
クラウスさんは嬉しそう。
「は? あの、別に私、OKとは一言も……」
「だがそうだな、この体勢は君の負担になってしまう」
「あ、あの、話、聞いてますか? クラウスさ――」
言い終える前に抱き起こされ、クラウスさんがソファに横になり、私はその上にまたがらされた。
真下のブツが、グリッと私の股間を擦る。
「いや、あの、だから腕を自由に――」
「カイナ。君は今朝、褒美に何でもすると私に言ってくれたのでは?」
「は? いや『何でも』とはさすがに言ってな――」
言葉を封じるように抱きしめられ、キスをされた。
「愛している……」
耳元でささやかれ、スカートをまくりお尻を撫で上げられ――私は、記憶喪失前の自分が怒り狂っていた理由が、少し分かった気がした……。