第6章 悪夢の後日談
※R12
熱い。ただひたすらに熱い。主に羞恥の問題で。
ホックを外され、胸が涼しくなる。
『セクシー』より『可愛い』に重きを置かれたブラを剥がされ、ふわっと床に落ちる音。
私は優しい腕に抱かれ、上半身をはだけられている。
クラウスさんは私を膝に乗せ、慈愛のまなざしで私を見ながら、
「カイナ。次は何を?」
「い、いえ、もういいです。後はクラウスさんのお好きに――」
もじもじしながら言うが、
「何度も言ったように、君の希望を叶えることが私の望みだ。言ってくれたまえ」
言葉の内容は紳士的だが、明らかに『こちらの反応を楽しんでる』感がある。
しかしクラウスさんを癒やしたいと言い放った手前、逆らえない。
「えと……そ、その、胸を、舐めて、欲しいかなって……」
すると敵はアゴに手をやり、
「ふむ。だが胸部といっても範囲が広い。具体的にどこを指すのだろうか?」
プレイか! そういうプレイなのか!?
これなら最初から大人しく縄で縛られてれば!!……いやでも縄はないなあ。
けどそんなに良いのかなあ。痛くないのなら少しくらいはつきあっても……いやいや、それでも縄はちょっと……。
「……!」
ちょっとボーッとしてたかも。クラウスさんが私の身体を抱えて動かした。
私の股間に敵のデカいブツがグリっと当たる。
く、悔しいけど……欲しい。
「クラウスさん……」
「何かね?」
「その……ええと、ですね。ち、ち、乳首、ち、ちょっと、舐めてほしいかなって……」
顔を真っ赤にし、小さい声でどうにか言ったが、
「舐めるだけかね?」
……コンマ数秒、私の脳裏を百編くらい『殺す』『別れる』が交錯し、
「と、時々、揉んだり、指で弄ったり、軽く噛んだりされたいかなあって……」
「承知した。私は鈍い男だから、君の指示はありがたい」
嘘つけ! いつもは自分の好き勝手にやるくせにっ!!
「……んっ……。ぁ、ん……」
でも実際に、背中を支えられながら、胸に舌を這わされると、そんな罵倒もどこかに吹っ飛んでしまったのであった。
「い、いいです……きもち、いい……」
クラウスさんの頭にしがみつき、情けない声を出したのであった。