第6章 悪夢の後日談
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優しい声がする。
「カイナ。口を開けてくれたまえ」
あーんと口を開けると、スプーンですくった温かいスープが注ぎ込まれた。
私はクラウスさんにもたれ、ぐったりとそれを飲み干す。
全裸で。
つ、疲れた……!!
解毒は終わってはいないが、さすがに小休止である。
真新しい清潔なシーツの上で、二人で食事を取っている。
全裸で。
…………
とりあえず死ぬほどヤリまくって、多少クラウスさんも落ち着いた。
で、二人して一旦お風呂に入ってる間に――ついでにしっかりと風呂場で私が襲われてる間に――、ギルベルトさんが完璧にベッドメイキングをして飲み物と軽食を用意してくれたのだ。
……羞恥の極みなんですが、クラウスさんはとんと無頓着であった。貴族め。
「で、どのくらいヤリました?」
「××回だ」
「……っ!!」
戦慄する。恋人関係になってからの最高記録だ。
てかギネス記録狙えるんじゃね?
あとあの状況下でちゃんと数えてるクラウスさんが怖い。
「とはいえ百回には遠いですね」
「心配は無用だ。そのくらい造作もない」
……いや何でドヤ顔なんすかクラウスさん。
あとあなたには造作もないでしょうが、私の身体が保つかどうか。
シメの紅茶を飲みながら首を傾げた。
「というか、継続してヤル必要なくないですか?」
「!? 何を言うのだね、カイナ」
「クラウスさんも落ち着かれたんだし、一度通常業務に復帰して――ぁっ!」
最後まで言うまえに、ベッドに押し倒された。
「そのような無体なことを言わないでくれたまえ、カイナ」
クラウスさんは私の手をつかみ、口づけながら言う。
「もっと君と共にいたい。愛している」
チラッと見ると、クラウスさんのブツはすでに復活していた。
その気が失せかけてたけど、私を求める雄の象徴を見ると、照れとともにチリッと身体の中心部がうずく。
「せっかく気兼ね無しに君と触れあえるのだ。まだ試したいこともたくさんある。どうか……」
……今、ちらっと怖いことを言わなかったか?
「愛している。私のカイナ」
あごに手をかけられ、キスをされた。
「私もです」
私は微笑んだ。
そして私たちはまた、抱きしめあいながら、ベッドに沈んでいった。