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【血界戦線】紳士と紅茶を

第5章 終局


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 説明が長いんだけど――面倒くさいか、知ってるなら飛ばしてもいいかもしれん。

 私、カイナ・シノミヤはかつて弱小魔導組織の手下だった。

 手下というか彼らの世界征服計画の一環で、並行世界から引っ張ってこられたのだ。
 んで、神性存在と契約をさせられた。

 結果、私は『不死』の身体になった。委細不明。何せ、記憶が飛び飛びなもので。

 しかし本来の契約自体は失敗、もしくは不履行になったっぽい。
 私にはハンパな『不死』だけが残った。

 そしてヘルサレムズ・ロットで秘密結社ライブラのリーダー、クラウスさんに拾われ、何やかんやで恋人同士になり幸せにやっていた。

 えーと、あと何だっけ。

 でも弱小魔導組織の人らは、まだ私をあきらめてなかったらしい。
 私は彼らに拉致(らち)された。

 それで今現在、色々されてる。

『色々』って何かって? 色々です。

 この後のことを、微に入り細を穿つがごとく話してもいいんだけど、正直うっとうしいだけだと思う。

 なのでサラッと話すから、残りの空白は適当に埋めて下さいな。

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 私はどこかの地下アジトに連れて行かれた。
 暗くてじめじめした、悪臭のする場所だ。

 連れて行かれ、まず何が起こったかと言えば、拷問である。

 マフィアでも秘密警察でも反政府武装組織とか何でもいいから、そういったアジトの一番暗い部屋で行われてることを想像して欲しい。
 その十倍はひどいことだ。

 そういうことが何日もかけて、私の身にそっくりそのまま降りかかったのである。

 連中は『ライブラ』のことを知りたがった。

 けど私はどれだけ問い詰められても拷問を受けても話さなかった。
 というか話せなかった。

 別に私はそこまで意思の固い人間じゃないし、痛いのは普通に嫌。
 でも話そうとすると話せない。思い出せなくなるのだ。
 連中がそれに気づくまで、私は無駄に拷問を受け、何十回となく死んだ。

 そういうわけで、えーと……なんだっけ、……ライ何とかの情報を話せなかった。

 やがて連中も、私から何とかという組織の情報を取り出すことは諦めた。


 で、彼らが私から聞きだそうとした、その組織の名前……えーと、何ていう名前だったっけ?


 それと私の名前……何だっけ。


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