第4章 異変
「そっちの話ではない。それと! 君は私の植物を摂食しないと約束したのではないのかね!?」
うわ。久しぶりに敵意を向けられ、ゾクゾクする。
今夜いじめられそうな予感。
でもこれ、さっき死んだことの話?
いったい何でバレたんだ?
「旦那。怒ってるのか心配してるのか、どっちなんだよ」
あくびをしてソファからあ起き上がりながら、ザップさん。彼は私に、
「チビ。何もなかったのか?」
「何もありませんでしたよ?」
私はニコニコ。
『…………』
クラウスさん、スティーブンさん、ザップさん、ギルベルトさんに見られ、ちょっと怖い。
でも私は笑顔。黙して語らない。
「そうか。分かった」
クラウスさんはそう言ったが、少し意気消沈しているように見えた。
…………
その後は特に何ごともなかった。
予定していた食事会もつつがなく始まり、合流したチェインさんやK・Kさんを加え、皆で焼き肉を楽しんだ。
「てめえ、チビ!! さっきから一番良い肉ばっか食いやがって!!
遠慮ってもんを知らねえのか!!」
「はあああ!? 遠慮という言葉から縁遠い方が何を仰ってるんでしょうねえ!?」
私とザップさんはつかみ合いの喧嘩をせんばかり。
「二人とも落ち着きたまえ。いくらでも追加注文するといい」
クラウスさんは寛大である♪
「カイナっち。もっと食べなさい! 大きくなれないわよ!」
と面倒見の良いK・Kさん。『カイナっち』って。
「それとチェインさん、飲み過ぎですよ」
私たちの座敷に、度数の高いお酒が次から次に運ばれてくる。チェインさんはそれをグビグビ飲み干していった。
「な~に~? 私の酒が飲めないっての~?」
あ。こっちを見るチェインさんが。
「おら、飲め飲めー!!」
「ちょっ……!」
「チェイン、落ち着け」とスティーブンさん。
「そうだぞ犬女!!」
「んだと、銀猿ーっ!!」
そして始まる取っ組み合いの喧嘩。
ライブラは今日もにぎやかだった。
…………
…………
そして深夜、私の家に帰ってきた。
「してクラウスさん」
「何だね?」
さしものクラウスさんも、今日はお疲れのご様子。
今日という今日はホントに何もなく、仲良く眠れそう。
だが私は低い低い声で言う。
「……私のコタツから出て下さい」