第4章 異変
※R15
「……っ!?」
ちょっ、手が……パジャマの中に、入ろうとしてる。
ヤバい。ヤバイヤバイヤバイ。
何でクラウスさん、一晩遅れてケダモノになってるんだ。
「ちょっと、クラウスさん、正気に戻って! 今日はお仕事あるでしょうが!」
どうにかキスから逃れ、睨みつけるように見上げた。
顔真っ赤で、目がうるみ、息をあえがせ、襟元を少し乱れさせて。
「…………」
「――っ!!」
クラウスさんが起き上がり、ドンッと私の両脇に手をつく。
私を見下ろす目に、いつもの慈愛は無い。ただ欲にかられた獣の瞳があった。
「…………っ」
私は完璧にフリーズしてしまった。
お忘れだろうが、私は『大きな人を怒らせる』という状況が、大変に地雷なのだ。
多分『組織』にいたとき、そういうシチュの後に必ず、ひどい暴力が待っていたせいだろう。
クラウスさんは私が大人しくなったせいか、多少殺意を減じさせる。
そして上着――には手をかけず、私のパジャマのズボンを下着ごと下ろした。
…………
「あ……は、ぁ……」
爽やかなはずの朝の部屋に、乱れた息が二つ。
「い、痛い……っ」
キスはいいんだけど――いや酸欠になるから本当は良くないけど――時々鎖骨のあたりに噛みつくのは止めてほしい。
クラウスさんの『牙』でマジ噛みされると血が出るから。
「……っ……!」
なのに痛がると、余計に強く噛まれる。
だから刺激しないよう、眉根を寄せ、涙ぐみながら唇噛んでると――さらに噛まれた。
ああ、ホントに血ぃ出たし。
もうクラウスさんが何でこうなったのかとか、余計なことは考えない。
多分、向こうは夢だと思ってるんだろう。
「……ん……あっ、あ……あ…!」
声が止まらない。
片膝を上げさせられ恥部を露出させられてる。
そして愛液のあふれる場所に、指がねじこまれてる。
「んっ……ぁ……やだ、そこ……奥、入れ、な、いで……」
うん。涙声で言ったが逆効果だったね。
むしろ余計に、奥に、強く……。
「ひっ……、やだぁ、……あ、あ……! おかしく、なるから……!!」
涙にあふれた声が響く。
分かんない。実は夢を見ているのは私の方なのかな。
絶え間ないキスで、息吸えなくて、頭がボーッとして。
もう、何が何だか分からなかった。