• テキストサイズ

Love Distorted 【気象系BL】

第4章 愛のTABOO




翌日、僕は櫻井に出逢わないように
周りを警戒しながら職員室に入った。

…朝ここで待っていられたらと思うと怖くて、あんまり眠れなかった。

朝からあんな奴の顔なんて見なくないんだから。

「おはようございます…」

そう小さく挨拶をして、自分の席に向かう。
すると、隣の席の大野先生が穏やかな笑顔で挨拶をしてきた。

この人のこの笑顔も、あまり朝から見たいものではないな。

智「今日は随分と早いですね、二宮先生」

「え、ええ…ちょっと早く目が覚めたので」

智「それにしては目の下の隈、凄いですけど…」

「えっ…!」

僕は慌てて、両手で顔を覆った。

智「まあ、研究も良いですけど…ちゃんと休んだ方がいいんじゃないですか?」

「そうですね…そうします」

大野先生に曖昧に微笑むと、僕はある事に気が付いた。
…待って、僕は眼鏡をしているんだ。

なのに、どうして大野先生は隈に気付けたんだ…?

「まさか…カマをかけられた?」

僕は、職員室の外で生徒とにこやかに挨拶をする
大野先生をただ呆然と見つめていた。

一体なんの為に…。

それから僕は、午前中に1年生と2年性の授業を終えて、準備室に戻ってきた。

時計を見ると、お昼の時間を少し回ったところ。

いつもは学食でハンバーグ定食を頼むんだけど
この時間じゃ食堂が混んでいるだろうしな…。

「購買でパン買おう…」

大体いつも食堂が混むから、この時間でも
購買は空いてる筈だ。

購買に行くと、案の定人も疎らだった。
そこでメロンパンを1つ買って、屋上に向かった。

屋上へと続く階段を一段ずつ上がり、
錆び付いた扉を開ける。

すると、春らしい爽やかで暖かな風が
僕の身体を駆け抜けていく。

この時期の屋上は、1番気持ちが良いな…。

そう思いながら、いつもの場所へと足を踏み出した。













/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp