第4章 愛のTABOO
「男嫌いって、なんで?」
雅「さあ? 詳しくは知らないけど、噂では過去に強烈なトラウマがあるみたいだって話だよ」
雅紀でもそこまでは分からないか…。
だけど『男嫌い』ね…一体過去に何があったんだろう。
潤「でも、やっぱり1番は大野先生だよな」
雅「だよね♪ なんであんな流行らない眼鏡なんてかけてるんだろう」
…そうか、皆あの人の素顔を見た事がないんだ。
あの眼鏡の裏に、どんな美貌が隠されているかなんて誰も知らない…なんかすげぇ良い気分。
潤「翔? なに1人でにやけてんだよ」
雅「何かいい事でもあったの?」
「…ん? まあそんなとこ?」
雅「え!なになに、教えてよ〜」
「秘密だから無理」
俺たちがぎゃあぎゃあと騒いでいると、二宮先生が俺たちの机にやってきた。
和「君たち、何騒いでる…今は授業中だ、静かにしろ」
雅「はぁい…」
潤「すみませ〜ん…」
へぇ…他の生徒にはそんな態度取っちゃうんだ。
昨日みたいな可愛らしい姿は魅せてくれないんだな…。
和「じゃあ、授業を再開する…」
そう言って先生が黒板の前に行こうとした時、腕を掴んで引き止めた。
雅「ちょっと、翔ちゃん?」
和「なんだよ…」
「ねぇセンセイ? 今日の放課後センセイの所行ってもいいですか?」
和「な、なんで…だっ、」
「授業の事で少し質問があるんで…聞きたいななんて思ったんですよ」
和「そ、んなの今聞けばいいだろ…」
「嫌です…放課後行きますんで、よろしくお願いしますね?」
和「…っ、勝手にしろ…!」
俺はそこで二宮先生の腕を離した。
…やった、これで二宮先生に逢う口実が出来た。
潤「おい、今のなんだよ」
「何って…ただの質問だけど?」
雅「翔ちゃん、あの人の事気になるの?」
「うん、だって科学の先生なんて面白そうじゃん?」
雅「そうかも知んないけどさ…あの人はやめておいた方がいいよ」
「なんで?」
雅「あの人に関わると、ろくな事が起きないんだって…だからいつも1人でいるんだってさ」
「へぇ…」
でも、だからって関わる事を辞める訳ないからな。だってもう俺は、あの人の事で頭がいっぱいなんだ…自分でも良く分からない程。