第1章 嫉妬狂乱
翔「ちょ、ニノ…?」
いつの間にか俺は、翔さんの腕の中に
しがみつくような体勢になってしまった。
…でもね、もう何も考えられないよ。
「…げ、ほっ…ごほごほ…っ、」
翔「ニノ、医務室行こう? それか医者に…」
「やめて…何も言わないで、誰にも。
ちゃんと仕事はさせて…? ごほっ」
俺が翔さんに、懇願すれば
翔さんは諦めたように溜息をついた。
翔「ニノがそこまで言うなら仕方ないけど…
ホント何かあったら言えよ?」
「…うん、そうする」
そこまで話した時、メイクから3人が帰ってきた。
幸いにも話の内容までは、バレなくて良かった。
智には気づいて欲しかったけど、ここまで来てしまったら何かもうどうでも良くなってきた。
どうせ、智は俺なんかに興味なんてないんだから。
翔「ニノ立てる? 収録行くよ」
「あ、うん…」
俺はなんとか1人で立ち上がり、スタジオに向かった。
収録中は、耐えきれていたけど
度々入る休憩時間になると、一気に疲労感が襲う。
…だめだ、頭がぼーっとする。
そんな状態の中、収録が終わって
それぞれ楽屋に戻る為に、席を立つ。
俺も早く帰って薬、飲まなきゃ…。
前に薬局で買ったやつ残ってるかな?
ふわふわする頭で考えながら、立ち上がると
血の気が全部引いていくみたいに、足に力が入らなかった。
倒れる、そう思った時には俺の膝は曲がってて。
翔「ニノ…!!」
翔さんのそう叫ぶ声に気づいた時には、
俺はもう翔さんの腕に抱きとめられてた…。