第1章 嫉妬狂乱
メイクを終えて楽屋に戻ると、
翔さんがまだメイクをしているみたいで楽屋にいなかった。
智「…ねえ、松潤」
俺が戻った時、ちょうど智が潤くんに
声をかけている所だった。
…本当は聞きたくないけど、耳が勝手に
2人の声を拾っちゃう。
潤「どうしたの?」
智「今日、家に行っていい?」
…え、今なんて?
潤「あ〜、何時くらい?」
智「相葉ちゃんと飲んでくから、その後かな」
潤「じゃあ夜遅いよね…?」
智「そうだね」
潤「…ん、まあ良いよ」
智「そっか、良かった♪」
そう言って智は、甘い声で笑った。
なに、それ…潤くんとはどういう関係なの。
セフレの俺には言えないことなの?
どうして、やっぱり俺は駄目なの…?
硬く自分の拳を握り締めた時、
翔さんがメイクから帰ってきた。
翔「あと3人、メイクさんが呼んでる」
「「「はーい」」」
翔さんの、その言葉で智たちは別室に行ってしまった。
…嫌だ、嫌だ、嫌だ。
俺は智のなんなの? ただのセフレ?
智にとってはそうかもしれない…。
だけど、俺にとっては…っ、
「…っ、ごほ、ごほっ」
翔「ニノ…?」
智の事を考えていたら、咳まで出てきた。
それを心配した翔さんが俺の隣に座る。
翔「やっぱり体調悪いんだろ…?」
「…げほ、ううん…っ、ごめ…ちゃんと元に戻すから」
翔「ニノ、泣いてるのか?」
流したくない涙が、止めようとすればするほど
勝手に溢れてくる。
「…っふ、こほ…ぅ、げほげほ…っ」
涙と咳が一緒に出て、何もかもが混ざって
ぐちゃぐちゃだった。