第3章 禁断の果実
潤「…凄い、智の匂いがする」
「あ、当たり前じゃないですか…っ、」
潤さんが俺の部屋に入った途端、そんな事を言うから俺は慌てて靴を脱ぎ、奥へ進もうとした。
けれどそれは、潤さんの大きくて温かな手によって止められてしまった。
「潤、さん…?」
潤「ここにはもう、俺達を邪魔するものは何もないでしょ?」
「え…っん、ぅ」
急に手を引かれたかと思うと、潤さんの
広い胸の中に抱きとめられてしまった。
そしてそのまま重ねられる潤さんの
熱い唇…。
強く腰を抱かれ、身動きも取れない…。
唯一出来るのは潤さんのキスによって翻弄される事だけ。
「ん、ぁ…ふ、っんぅ、」
自然に漏れでる声が、次第に大きくなっていく。
そこではたと気づいた…。
「…んぁ、ん、んんっ…!」
潤「…どうしたんだ?」
俺は、強く首を振って潤さんの唇から逃げた。
潤「俺とのキス、嫌だったかな…?」
「あ、そうじゃなくて…っ、その…」
潤「ちゃんと言って…?」
俺は、恥ずかしさから下唇を噛み締めた。
…でも、言わないと先に進めない。
意を決して口を開いたのは良いけど、
直接潤さんの顔を見ることが出来なくて俯いたまま答えてしまった。
「…そ、の声が…外に聞こえるかもしれないから…っ、」
…くそ、本当に恥ずかしくてどうにかなりそうだ。
俺が潤さんの反応を待っていると、
突然潤さんが俺を姫抱きにしてしまった。
「…んなっ!? ちょ、ちょっと…!」
潤「そうだね、ここだと外に漏れるかもね…
だからベッドに行こう?…もう待てないんだよ」
「…わ、分かりましたからっ…下ろして?」
潤「やだ、このまま運ぶよ」
このままじゃ埒が明かなくなりそうだから、
大人しく潤さんにされるがまま寝室まで運んで貰った。