第1章 嫉妬狂乱
「…ん? なにが?」
翔「いや、なんか今日体調悪そうだなって」
やっぱり…翔さんは気付くんだね。
でも俺はね、智に気付いて欲しかったの。
「そうかな…別にいつも通りだよ?」
翔「そうか? それなら良いんだけど、辛くなったら言えよ?」
「うん、そうするね…ありがと」
翔「当たり前の事だから、遠慮すんな」
そう言って翔さんは、俺の頭をくしゃくしゃと
撫で回した。
大きな手のひらが、とても温かい。
俺の冷えた身体も、心も溶かしていくみたいに
温かくて安心する。
…でも、そんな風景を彼が睨むように
見ていたなんて、俺はまだ知らない。
そんな翔さんの優しさに、ほわほわしていたら、
相葉さんが智の肩を抱いて
にこやかに笑いながら話し始めた。
雅「そう言えばさ、もうすぐ大ちゃんの誕生日じゃん?」
潤「あ〜確かに…リーダー、今年は何欲しい?」
智「うーん、なんにも決めてねぇや」
そうだ、もうすぐ智の誕生日だ。
俺は今年何あげたらいいんだろう…。
俺は、その場での会話に参加することなく
ただ黙って話を聞いているだけだった。
智…出来るなら俺は、智の心ごと全てが
欲しいよ。
俺はソファーに小さく蹲ったまま、
メイクの準備に呼ばれるのを待った。
『二宮さーん、次お願いしま〜す』
「あ、はい」
他の4人が智の誕生日話で盛り上がっている
所を、こっそりと抜け出してメイク室に入った。
…どうしよう、少し熱上がってきたかも。
なんて、自分の身体の心配をしながら。