第3章 禁断の果実
【 Satoshi 】
甘いキスが突然途絶えたかと思うと
潤さんが真剣な眼差しで、俺に靴を脱げと言った。
俺は、何がなんだか分からなかったけど
取り敢えず潤さんの言う通りに靴を脱いだ。
その後も潤さんの焦った様子は変わらなくて
俺が不思議に思っていると、部屋中に玄関のドアの鍵穴に鍵を差し込む音が響いた。
それで、潤さんが慌てていた理由を悟った。
俺は潤さんに、背中を押されるがままに
寝室の部屋に押し込まれた。
扉が締まり、既に灯りが燈されていた
部屋に浮かび上がったのは大きなクッションが置かれたベッド。
その部屋に漂う潤さんの、芳醇な香りと
俺の身体を掻き立てるような甘い匂い…。
「…っふぅ、」
身体は、俺の意志に反して反応し始めた。
熱く猛るそれをどうしようかと考えていると、部屋の外から2人の会話が細々と聞こえてくる。
全部は聞こえない、な…。
だったらこっちからの声も向こうにはあまり聞こえないんじゃないか…?
そう考えた俺は、そろりと下半身に手を伸ばした。
「…ぁん、もう我慢出来ない…っ、」
ベルトを外し、下着と一緒にジーンズも
取り払う。
潤さんには悪いと思うんだけど、苦しくて
堪らないんだ…。
俺は自分の肉棒を右手で握り込むと
ゆっくりとそれを上下させた。
ふと俺の視界に入ったのは、部屋の中央に置かれたベッド。
あの上で、潤さんと奥さんが…。
「…っんあ、な、んで…おれっ、」
潤さんと奥さんの情事の様子を妄想して
普通なら萎える所を、俺は何故かとてつもなく興奮した。
質量を増した肉棒からは、淫らな蜜が
とめどなく溢れる。
あの上で乱れる2人を想像すると、
自分を扱く手も速まって…。
「…ぁ、ぁ、んっ、ぅ、」
俺は空いている手で口を押さえながら
絶頂に達してしまった。
その時…
潤「智、もう大丈夫だよ…って、え?」
「ぁ…っ」
奥さんを見送って戻ってきた潤さんが、
扉を開けて俺を見て驚いていた…。