第3章 禁断の果実
「これから俺たち…どうなっちゃうんですか?」
俺は松本さんの腕の中に包まれながら
そう松本さんに呟いた。
彼からどんな答えが帰ってくるのかと
思っていたら、松本さんの腕に力が少しだけ入った。
潤「俺たちの関係は誰にも認められないです…
だけど、こうやってお互いの気持ちが繋がったから、もう離すつもりはありませんよ?」
「松本さん…」
強い決意と意思で語られたそれは、俺の胸の奥にも強く響いた。
俺たちは認められない…。
でも、お互いがお互いを想いあってる。
その事だけで充分な気がするんだ。
周りに反対されても、蔑まれても、きっとこの人となら乗り越えられる。
そう強く思うから…。
潤「大野さん、仕事は良かったんですか?」
「はい、さっきので最後でした」
も、もしかしてこのままホテルに行こう
とかっていう流れじゃないよな…。
そんな事になったら、まだ俺全然心の準備とか出来てないんだけど、どうしたらいいんだ。
潤「そんな緊張した顔しないで?
まだ何もしませんよ、今日はこれでお別れです」
「え、あ…そうなんっすか」
松本さんのその言葉を聞いたら、安心したのと
少しだけ残念に思ってしまった自分がいた。
潤「…でも、せっかく通じ合ったんだから」
松本さんの腕から解放されたかと思うと
今度は顔の至近距離まで詰め寄られた。
潤「ディープなキスくらいしていっても良いですよね?」
「…へっ、あ」
松本さんに顔を近付けられてそんな事を言われると、俺の顔面が火を噴く程熱くなる。
それに、松本さんの手が俺の頬を
愛おしげに撫でてくるから、更に熱は昂るわけで。
潤「…ね、良いですよね?」
「…ぅ、うん」
俺がそう答えると、松本さんがふわっと微笑んで
その唇を俺のと重ね合わせた。
「…ん、ぅ、ふ」
最初は、唇を食むように…。
お互いの唇を交わらせた。