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Love Distorted 【気象系BL】

第3章 禁断の果実



【 Satoshi 】

俺は松本さんの住むマンションの前に
車を停めて、松本さんの帰りを待った。

暫く待っていたら、待ち望んだ彼の姿が
現れた。

はやくお礼を言いたくて、もっとちゃんと
話がしたくて。

松本さんに歩み寄れば、するりと
逃げられてしまった。
なんとか追いかけて、彼を路地裏に留める事が出来たのはいいんだ、いいんだが…。

ここから先、何を話したらいいんだよ…。

取り敢えずなんで逃げたのかと、聞いた。
そしたら、松本さんらしくない事を言うからなんか頭にきて。

自分の事を明かした。
素直じゃないってこと…。

そう言ったらなんか止まらなくなって、
どうしてか、いても立ってもいられなくなって。

松本さんのスーツのネクタイを
自分の方へ引き寄せて、その唇を奪った。

とうとう越えてはいけない一線を…越えてしまった。

それもあんなに拒み続けた自分から。

潤「ど、ういう…ことですか?」

「俺にも分かりませんよ…でも」

潤「でも…?」

もうここまで来たら言うしかない。
言えばもう、悩む事も迷う事もなくなるかもしれない。

「――、ます」

潤「え…?」

「認めます…っ、貴方の俺に対する想いも全部!」

潤「それ、って…」

「そうですよ、不倫になっちゃいますよ!
…でも俺もあれからずっと貴方の事しか考えられなくて」

潤「大野さん…」

「だから…だから、もう認めるしかないって
貴方と同じ気持ちだって事、いけないって分かってるのに…っ、」

そこまで言って、情けなくも涙が溢れて
止まらなかった。

こんな弱々しい姿、松本さんに見られたくないのに。

でも、それとは反対にこの人だから
俺のこういう姿を見てもらいたいとも思う。

「…っ、ふ、ぅ…ごめ、なさっ――」

潤「泣かないで…俺が最初に貴方との一線を
越えてしまったんだから…大野さんは謝らなくていいんです」

そう言って包まれた腕の中の温かさに
また涙が溢れて、どうしようもなかった。















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