第1章 嫉妬狂乱
智「…見せつけるみたいに、こんなにも
キスマークなんて付けられちゃって」
「…っ、」
お気に入りだったボタン付きのシャツ。
今は無残にも、床にボタンが散らばっていた。
「なんで、こんな事するの…っ!?」
智「それはこっちのセリフだよ!」
「え…?」
智「最近ずっと翔くんの隣にいるし、挙句
こんな風に抱かれてるし…!かずの相手は、
俺だけじゃなかったの?」
「さ、とし…」
智「なに、翔くんと恋人にでもなったの?」
「それは違うよ…」
智「じゃあ、今俺に抱かれても文句ないよね?」
「それはっ、んんっ…!?」
血走った目の智が、俺の唇を貪る。
怒りに任せてされるそれは、翔さんのと違って
激しくて、苦しくて、何よりも心が痛かった。
「智、やめ…っ、ん」
智「絶対止めない、かずが翔くんなんかに
抱かれたのが悪いんだから」
そう言い捨てた智は、淫らなリップ音を
わざとさせながら俺の乳首を吸い上げた。
「ひぅ、んっ…っあ」
智「ちゃんと感じてくれてるね」
「あ、ぁ…ちがっ、」
智「なにが違うの? 反応してるじゃん」
智は、乳首から段々と下に愛撫を集中させてきた。
俺が好きな智に、そんな事をされたら
俺のイチモツは簡単に反応しちゃうわけで。
そこからは何も言い返せなかった。
「う、あっ、」
智「じっとして」
智は、乱暴に俺のベルトを外すと
下着ごと着衣を取り払った。
智「こっち来て」
「あっ…」
智に腕を引っ張られて、湯のはられてない
真っ白な浴槽の中に入った。
智「ここなら汚れても、すぐ洗い流せるから
安心してね?」
「あ、う…本当にするの?」
智「当たり前でしょ、ここまで火をつけたのは
かずなんだから…逃げないでね?」
そう言って智は、今までに見たことのない
怖い笑顔で微笑んだ。