第1章 嫉妬狂乱
それから1週間、俺は翔さんの隣に居続けた。
仕事の時も、休みの時も。
翔さんの家に行ったり、翔さんを自分の家に
呼んだり。
その中で、やっぱり身体を繋げちゃったりも
したけど…。
それでも後悔はしてないんだ。
俺は、翔さんの事好きになれるように努力してみようと思い始めていた。
「翔さん、今日だね…」
翔「うん、ニノは大丈夫?」
「え…? なにが?」
翔「智くん、最近ずっと俺の事を睨んでるような目で見てたから」
「智が…」
でも、どうして翔さんの事を睨むんだろう。
翔さんは何も悪いことしてないのに…。
まさか、俺の知らないところでケンカでも
してるのかな。
翔「ニノ? 俺はニノの心配してるんだよ?」
「どうして?」
翔「そりゃあ、智くんにやり殺されちゃうんじゃないかって」
「なんで智がそんな事するのよ…」
翔「俺の勘がそう言ってるから♪」
ごめん、翔さん。
それは絶対にありえないと思うよ。
智は性に淡白だし、今までも積極的じゃなかった。
そんな智に俺がやり殺されるなんて。
智の人格でも変わらない限り無さそうだよ。
翔「そうだ、ニノは誕生日プレゼント何にしたの?」
「智が絵を描くかなって思って、キャンバスと絵の具」
翔「智くん愛されてるね」
「そ、そんなんじゃ…っ、」
翔「ハイハイ、つんつんしないの〜」
「ちょ、翔さんってば…!」
翔さんは俺の頭をくしゃくしゃと撫で回した。
あ〜あ、髪がぐちゃぐちゃだよ。
手ぐしで直しながら、俺と翔さんは
智のマンションの部屋のインターホンを鳴らした。
そして。
智『開いてるよ』
インターホンから智の声が聞こえて、
部屋の中に入ると既にみんなが揃っていた。