第1章 ORIGINAL COLOR①
「じゃあ分かった。聞くだけ聞かせて。ひろかさんは何が良いと思う?それに決定する訳じゃないからさ。参考までに。」
「うーん。じゃあ歌かな?」
「歌?」
少し意外だという風にこちらを見た。
「一年の学祭で弾き語りしたでしょ?オリジナルカラーって曲。わたしすごくびっくりした。それに感動した。今でもすごく覚えてるよ。」
「え?!そうだったん??!」
「え、うん。すごく良かった。」
「え、ほんまに?!!」
「え、、うん。」
「あ、そうやったんや!!!」
「え、、、?
」
想像以上に剛は驚いた反応を見せる。そんなに驚くことかな。お客さんだっていっぱいいて、学祭終わったあと剛くんのツイッターのフォロワー数は飛躍的に伸びた。学内でもたくさんの女の子に囲まれるようになってたし、音楽関係者はたくさんみていて、ライブ後はいくつかのレーベルからスカウトされるほどだった。
それだけまわりから認められてる人が、
良かったという一言にここまで驚くのは変な感じだ。
「そんなに驚くことかなあ。」
「うん。だって、ひろかさんから感想聞いたの初めてやから。微妙やったんかなあ。ってずっと思ってた。」
「ははは。笑 何言ってるの!」
思わず声を出して笑ってしまう。
たったそれだけのこと3年間も思ってたなんて。
ほんと何考えてるか分からない人だ。