第4章 ORIGINAL COLOR④
「違うの。ちょっと高校の時の友達と連絡とれなくなっちゃって、落ち込んでただけ。」
嘘はついてないよね、、、?
アヤメごめんね。
そう心の中で呟いた。
「そうだったんだ。その子とは仲良かったの?」
アヤメはホッとした表情を一瞬だけ見せて、心配そうにそう聞いた。
「、、、うーん。どうだろ。わたしが一方的に好きだっただけ。」
「それってもしかして男の子?」
一瞬だけ言い止まったが、ついアヤメの優しさに漬け込んで本当のことを漏らしてしまう。
「うん、、、。」
「その子に恋してるの?」
「、、、、うん。」
アヤメの目が見れずそれだけ言うと、アヤメは困ったように笑った。
「そっかあ。無理矢理聞いちゃってごめんね。でもなんか嬉しいよ。高橋のそういう話し初めて聞いたからさあ。」
「ううん。わたしの方こそ心配ばっかりかけてごめんね。」
わたしは笑顔でそう言うつもりだったが、あまりにアヤメが優しくそう言ってくれたので、何かが壊れたように涙がポロポロ出てきた。
教室にいた生徒何人かがチラチラとこちらを見ているのが分かる。
わたしは急いで涙を拭いたが、その瞬間アヤメは盾になってわたしを隠してくれた。
「辛い時は泣いた方がいいよ。我慢したらダメ。」
「ありがと、、、。」
アヤメはこれ以上詳しいことを聞いてこようとせず、ただわたしが泣き止むのを待ってくれるみたいだ。
「ほんとごめんね。この歳になって恥ずかしい、、、。」
「なに言ってるの?成長してるのは見た目だけで、誰でも中身はずっと子供のままなんだから。わたしなんて、買っておいたプリン弟に食べられて泣いちゃうんだからね。」
そうおどけてみせるアヤメにわたしはクスクスと笑ってしまう。
「プリンで?」
「そう。プリンで。笑 高橋はいつも無理しすぎだよ。ちゃんとしようなんて思っちゃだめ。そんなこと思わなくても高橋は充分ちゃんとしてるんだからね。」
アヤメは本当に太陽みたいに暖かい子だ。
わたしの凝り固まった考えも、柔らかくときほぐしてくれるんだから。
「ありがと。なんか少し元気でた。」
「ううん。お礼はプリンで大丈夫だよ?」
わたしはクスっと笑って了解と伝えた。