第3章 ORIGINAL COLOR③
わたしはじっと考え込んだ。
一緒にご飯を食べているというのに、ぼーっとしたりため息したり、失礼な態度をとってしまっているので、なにもないで突き通すのはさすがにダメだ。しかし1から100まで話すわけにもいかない、、、。
「いや、この間アート大の敷地ブラブラ散歩してた訳。」
「ほう。」
「そしたらアート大生に何故が捕まって連絡先聞かれまして、今度バンドの練習見に来てくれって。」
「え?!!ナンパじゃん!!!良いなあー!」
アヤメは呑気にキャッキャとわたしの話しを聞く。
「いや、良くないでしょ。どうやって断ろうかなあ。と思って。」
「なに言ってんのー?!アート大なんて超ブランド大じゃん!高橋彼氏いないんだし、行くだけ行っちゃいなよー!」
とてもミーハーな彼女は楽しそうだ。
「ちなみになんて人??」
「えっと、、、ラインにはクドウタクヤって書いてある。」
「え?!!!!クドウタクヤ?!!!!音楽学部4年の?!!!!」
さすがアート大の追っかけだけある。すぐにピンときたらしい。
「え?有名なの?」
「いやいや、有名もなにも、去年の学祭で作品賞3位だったじゃん!!ソウルカントリーってバンドで!!」
「いや、知らない。」
「ちょっとホントにー?!!!しかもタクヤって一番人気のボーカルだよー?!!!高橋超羨ましいーーー!!!いいなー!絶対行ってきて感想聞かせてよー!」
「いやいや、無理無理。絶対無理。」
「なんでよー!彼氏いないんだから良いじゃん。」
これ以上はさすがにアヤメにも説明できない。
「なんかチャラい感じだし、強引な感じだし、わたしの苦手なタイプ。」
「えー。そっかあ。まあ、無理にとは言わないけど。
ソウルカントリーの練習独占できるなんて超レアなのになあー。わたしならお金払ってでも見たいわあ。」
アヤメは残念そうにしゅんと下を向いた。