第6章 スキ、キライ。キライ、スキ。
「…光太郎、ただいま」
「おかえり」
ドアの中から聞こえる声。
なんかこの声を聞くと落ち着く…かも?
…ってそんなわけないか。
「今日さ、漢字の補習があったんだけどよ、4問しかかけなくて1問しかあってなかったんだよ!オレ、ホントに卒業できないかも…」
「大丈夫。私が教えるよ。」
「さすが!綾菜は天才だな」
家にいる光太郎は静かだ。
声は相変わらずデカイけど、動きも静かだしテンションもそこまで高くないし。
私は、静かな光太郎の方が好きだけどな…まぁどっちも好きなんだけどさ。