第6章 スキ、キライ。キライ、スキ。
黒尾センパイにキスされてからもう何週間もたって、6月にもなったのに…なのに、なんで…なんであのキスを忘れられないの…私のバカ!
あんなのただの成り行きでしょ?
ただ、私で上書きしただけで、私を道具として使っただけなんでしょ?
だって、黒尾センパイは誰とでもそういったことができる人だから。
きっとあれだ、私があのキスを忘れられないのは、彼と別れてから、初めてのキスだから。
もうバレンタイン以来だから。
そうだよね
私が好きなのは、光太郎だけだよ。
絶対、そんなこと誰にも言えないけど。