第29章 それぞれ
「エマちゃん、家まで送ってこっか?このあと暇だし。」
「ありがとう。」
エマさんは光太郎と2人で帰ることに決定。すごく嬉しそうだ。
そして、お泊まり組はどの順番でお風呂に入るかを決めている途中。
「木葉たち先に入っていいよ。俺らは最後でいい。綾菜、それで平気?」
「うん。全然大丈夫。」
私はお風呂に入らせてもらうのだから、先でもあとでも順番は気にならない。
「なにお前ら、2人で入るの?」
んんん?そのようなことは決して言っていなかったけど…?あ、いや、でも、俺らはってことは、2人ではいるって意味だった?
「2人ではいるよ。久しぶりに会ったし、長く一緒にいたい。」
「オーケーオーケー。んじゃ、俺らは先に入らせてもらいマスね。俺らも2人で入ろうなーエミリチャン。」
「うふふ。そうだねぇ。」
そして、そこまで悩む時間もなく、お風呂の順番は決まった。
「お邪魔しました〜」
「今日はありがとう。お邪魔しました。」
ふたりが家を出て、鍵を閉めると、鉄朗に声をかけられた。
「綾菜、部屋行こう。着いてきて」
私は小さく頷くと、鉄朗の後ろを着いていった。