第29章 それぞれ
しばらく4人でワイワイと騒いでいると、インターホンが鳴った。
「お、木葉たち来たな。んじゃ、俺、行ってくるわ」
鉄朗がそう言い立ち上がろうとすると、光太郎はそれを阻止する。
私と鉄朗とエマさんの3人は、頭にはてなを浮かべていると、光太郎は言った。
「久しぶりに会ったんだし、お前ら3人で話してろよ。俺が代わりに行く。」
「あ、おう…サンキュ」
今のは光太郎なりの気遣いだったのか…?
やっぱり、優しいところはある。
「アイツ、変なところで気ぃ使ってくれるよなぁ、本当。」
「たしかに」
お兄ちゃんだから、というものなのだろうか?
こういう所が鉄朗と似ているところ?…いや、鉄朗はいつでも優しいけど。