第28章 1番最後。
やることは全て終えて部屋でゴロン、と寝っ転がっていると、鉄朗から連絡が来ていた。
『部活お疲れ様。暇なら、泣く前に電話して。俺、いつでもスマホ握っとくから』
暇なら泣く前に電話…か。
今しても大丈夫かな?…スマホ握ってるって言ってるし平気そう?
でるかな……迷惑じゃないかな……。
とか思いながら勢いに任せて電話をかけて見ると、想像より早く鉄朗は電話に出た。
「お、意外と掛けてくんの早かったじゃん。綾菜から電話かかってこないかと思ったわ」
「緊張したけど、勢いに任せてかけちゃった」
「俺に緊張とかあんの?(笑)」
あるよ。と、心の中でツッコミを入れつつ、小さな笑い声を漏らすと、鉄朗も電話越しに笑っているのが聞こえた。
「なぁんだ、意外と元気じゃん。まぁ、綾菜は、鉄朗と離れて夜も寝れない〜、とかいうめんどくさい女じゃねぇもんなぁ。なんか、ちょい悲しい気もするけど、綾菜は俺に伝えられないだけだもんな♡」
めんどくさい女なのに、されないと悲しいのか…不思議。
「うん、伝えられないだけ。……だって、恥しい、じゃん…。」
そう伝えると、先ほどと同じく鉄朗が笑ってるのが耳に入った。