第28章 1番最後。
…本当は、鉄朗のこと送りたかったけど、私の部活が午前中から始まるため、鉄朗の家まで送るのは無理だった。
「鉄朗の新居行きたかったなぁ…。」
「部屋片付いてねぇし、片付いてから誘うな。あと、色々安定してから」
「うん。誘ってくれるのずっと待ってる。」
優しく微笑むと、鉄朗も私の目を見ながら笑みを返してくれた。
「じゃあ、またね」
「おう、…泣くなよ?」
泣かないよ。
って言おうとしたけど、言えなかった。…だって、1人になったら、多分、いや絶対泣いてしまう。
「それはどうだろう。でもそんなに離れてるわけじゃないから、会いたくなったら走っていくかも!」
代わりにできるだけ笑顔で変なことを言ってみる。
「家片付いてねぇからあげない!…つーのは嘘で、わかってると思うけど会いたくなっても衝動的に動くなよ?駅までの通り、不審者多発してるらしいし。会いたくなったらいつでも連絡!!いいな?」
「じゃあ、毎日連絡するかもよ?」
「全然いいよ。むしろウェルカム」
なにそれ、とか思いながら笑ってみせる。
…鉄朗との最後が笑顔でよかった。