第28章 1番最後。
寝ない、眠くない、と宣言して1分も経ってないのに、綾菜は規則いい寝息を立てながら眠っていた。
あー、まじかわいい。
そんなことを思いながら、俺は近くにある服を手に取り身に纏った。
…ま、とりあえず綾菜にも服着せねぇとだな。
出来るだけ早く服を取り、ついでにタオルも持って綾菜の寝ている場所に向かうと、優しく体を拭くことから始めた。
俺、寝てる女を犯す趣味なんざねぇが、綾菜だったら……俺、やばいな…。
そんなことを考えながら体を拭き、服を着せた。
…あ、そう言えば、今日は木兎家にお邪魔させてもらう予定だ。
このまま寝かせてあげたいけど、こんな硬い床で寝てたら体の節々が痛くなってしまいそうだな…。
でも、おんぶして連れていくとして、途中で目、覚めたりするか?
…いや、綾菜はちょっとの事じゃ起きないか。
そう思うと、綾菜の荷物と財布と鍵を持って家を出る支度をした。