第28章 1番最後。
「なぁ、もっかい出してもいい?」
「うん。好きなだけいいよ」
鉄朗は、私の許可が降りることをわかっていたのか、返事をする前から、避妊具を自身に装着していた。
慣れているのか、動きはとても早い。
「いい?」
「うん」
お互い簡単な言葉で会話をすると、それ以上はなかった。
…それにしても、今日は正常位ばかり。……いや、鉄朗は大体正常位ばかり。
「なに、考えごと?」
…う、顔に出てたのか……。
まぁ、気づかれてしまったなら仕方ない。
「鉄朗、正常位ばかりだから、なんでかなって。」
すると、鉄朗は特に悩まず、すぐに回答してくれた。
「だって、綾菜の顔見れるし、キスもしやすいし」
そう言って、私に深い口付けを落とす。
「あ…ああ……」
鉄朗の顔が離れると、透明な糸が私たちを最後まで繋いでくれた。
「な?キスしやすいだろ?てか、キスしたらすっげぇナカ締まった。そんなに良かった?」
「…良かった。」
…もう、鉄朗は本当にずるい。