第27章 甘くて苦い。
「こっちおいで」
私は、鉄朗の所へ膝立ちで行く。
鉄朗の前に立つと、優しく抱きしめられた。
「あら、かわいい」
私の前髪を優しく上げて、おでこ全開にされたと思えば、元に戻され優しく梳かしてくれる。
すると、おでこに1つキスが落ちてきた。おでこの次は鼻。鼻の次は頬。
…今日の鉄朗はなんだか、甘えただね。
そう思い、優しく微笑むと鉄朗は少し不思議そうな顔をして言った。
「なんだよ」
「鉄朗が可愛くて、ついね」
私が鉄朗にそう言うと、鉄朗は唇を少しだけ尖らせて、ムスッとしたように言った。
「意味わかんねー」
こういう所も可愛いんだよなー。
ムスッとしている鉄朗の首に腕を回して、少し尖らせてる唇に私の唇を触れ合わせた。
「随分と積極的だなァ?」
「そう?普通だよ」
鉄朗はニヤリと表情を変えると、今度は唇にキスが落ちてきた。
今度のキスは、深い深いキス。
舌同士を絡めあわせて、何度も何度も角度を変えながら。