第27章 甘くて苦い。
「綾菜、今日泊まる?帰るなら送ってく」
「泊まらせてもらいます…。」
「あいよー。」
鉄朗は簡単に返事をしたまま、キッチンへと向かった。
2人でご飯を食べて、2人でお風呂もはいって。
「綾菜、今日はもう寝る?俺はどっちでもいいよ。今夜の予定ぐらい、綾菜が決めてな」
…私の気持ちくらい、絶対分かってるはずなのに…。本当に意地悪。
「なに、やりたくねぇの?もう眠い?あ、部活大変だったか?そんならゆっくり話聞くぞ」
私が何も答えないでいると、ニヤニヤした鉄朗が頬杖をつきながら、私の目を見てきた。
「鉄朗がいいなら、…」
「なに?」
なんて言えばいいのだろう…。ヤりたい?抱かれたい?…言い方が見つからない…。
「俺がいいなら、ナニ?」
この言い方、完全にわかってるし…。
「鉄朗がいいならセックスしたい。」
もう、これしか言い方が見つからなかった。
下品だとか、思われてるよね…。…もう少し言葉選びには注意をしなきゃいけないな。
「ブっ…ストレートに言い過ぎな」
吹いたよね、鉄朗。
流石だね。私は恥ずかしいというのに。…まぁ、私が悪いんだけど。
そんなことを考えていると、鉄朗は私の目を見て言った。
「ンじゃ、ベット行こうぜ。」
私の目に映った鉄朗は、先程とは全てが違う。今度のは、求める声。