第27章 甘くて苦い。
「そうなんだよ!今日、部活が終わったらエマちゃんの家に行くことになった!」
まさかの家か。エマさん本当に頑張ってる。
「で、綾菜これさ、チョコ貰えるやつ?」
光太郎はチョコ欲しそうだし、少なくともチョコは渡せそうだ。
「知らないよ。そんなの、行ってみないとわからないでしょ」
「そーだよなぁー!まぁ、貰えなくても行くけど」
え、なんなのあなた達、両思いなの?
…いや、違うか。…ん、でもどうだろう。
「とりあえず、光太郎は支度でもしたら?」
光太郎の顔を見ずに言い放つと、へーい、と言いながら部屋に戻って行った。
…エマさん、成功するといいな。
私もエマさんに応援をして貰ったもんね。今回は私が応援する番だ。
それに、やっと鉄朗のことを昔にして、前に進もうとしてる。それを応援しないなんてありえない。