第27章 甘くて苦い。
朝、鉄朗に今日会えるかな?と連絡をしようとすると、逆に鉄朗から連絡が来た。
『今日、学校行くつもりなんだけど、迎えに行っていい?』
『ありがとうございます』
簡単にそう返すと、すぐに了解と返事が飛んできた。
…久しぶりに鉄朗と学校に行ける…。
そう思うと、なんかすごく嬉しくて。
急いで支度をすると、気を紛らわせるためにリビングで鉄朗が来るまでスマホをいじることにした。
「なぁ、綾菜、聞いて!」
電源ボタンを押したと同時に耳に入ってきた光太郎の声。
「なに?」
これ、めんどくさいやつだ…。とか内心思いながら、片手でスマホをいじり光太郎と会話をすることにした。
「綾菜さ、俺、エマちゃんに会うんだけど、これチョコ貰えるやつ?」
「え、会うの?」
エマさんよくやりましたね。頑張って下さい。
届きもしない言葉を心で唱えて、光太郎の言葉を待った。