第27章 甘くて苦い。
バレンタイン前日。
今日は部活が終わってすぐにエマさんと待ち合わせをしていたスーパーに向かった。
「すみません、遅れました」
「大丈夫だよ!私こそ、買い物に付き合わせてゴメンね」
お互いに謝りながら、店の中に入ると、店内はバレンタイン一色。
私たちは、バレンタインで使う材料をカゴに入れながらあれやこれやと話していた。
「そう言えば、この間テツロウと2人で帰った時、どうだった?」
この間鉄朗と帰った……
あれ、あれ?もしかして、私のために鉄朗がわざわざ迎えに来てくれた?それに、エマさんが1枚噛んでたんだ。…なるほど
「普通でしたよ。いつも通り、鉄朗と仲良く帰りました」
私がそう言うと、エマさんは柔らかく微笑みながら言った。
「あれれ?クロから鉄朗に呼び方が変わってるけど?」
「バレました?(笑)」
そこに気づくとは…さすがエマさん。恐るべし。
そんなこんなで、楽しく会話をしながら買い物を終わらせた。