第27章 甘くて苦い。
「私の好きな人、って…実はね…」
__コウタロウ、なの。
少し恥ずかしそうに、そして、少し不安そうにエマさんはそう言った。
「…ごめんね、コウタロウって綾菜ちゃんのお兄さんでしょ?」
光太郎は私のお兄ちゃんだ。でも、エマさんはなんでそれを知っているの…?
「あ、言うの忘れてたけど、結構前にね、コウタロウと一度会ったことがあるの。」
「そうだったんですね」
それは初耳だ。光太郎から聞いたこともないし。
…あ、でも、だからか、前にカフェでエマさんと光太郎が初対面では絶対にありえない、可愛くなったな、とかいう会話をしていたのは。
「で、前、カフェ行った時に、連絡先交換して、最近よく話してるんだよね。それで、教えて貰ったの。コウタロウは綾菜ちゃんのお兄さんだって。」
なるほど…。
それで、話しているうちに好きになったって言うことであっているのかな?
「まぁ、それで好きになったってことは分かるでしょ?」
「はい、なんとなくは予想ついてましたよ。」
私がそう言うと、だよねー、と言って笑っていた。
「エマさん、気持ちは、いつ、伝えるんですか?」
すると、エマさんは考えず、すぐに言う。