第26章 久しぶりの。
「綾菜、そろそろ風呂入ろ」
その言い方だと、2人で1緒に入るってことだよね…。
「なんで?私はもう、1人で入れるようになったよ」
私は、クロが心配してくれて言ってくれたのかと思い、その心配はいらない、と伝えた。
すると、クロはそういう訳ではなかったようで、私に言う。
「そっか、良かったな。でも、今日は一緒に入る。つーことで、服もってこい。先に風呂で待ってんから」
「うん、すぐ行くね」
断れるわけでもなく、簡単に返事を返す。
私はなるべく早く部屋に戻り部屋着を手に取ると、急いで脱衣所に向かった。
「お待たせ。…なんか、久しぶりだね、こういうの。」
「ああ、そうだな。体洗って欲しい?」
「…バカ、恥ずかしいじゃんか。」
なんでクロはそんな恥ずかしいことをするのかな…。…でも、頭の隅では洗ってほしいな、なんて馬鹿なことを考えている私がいる。
「ほら、座って。俺が洗うから」
「…ありがとう」
私は、自分の骨格が少しだけ上がってしまったのを、自分でも気づいて、思わず口に手を当てた。
「アレェ?綾菜ちゃん、本当は最初から洗ってもらいたかったんでしょ?」
「…ちょっとね」
私はバレているのなら隠すつもりは無い、と思い正直に答えるとクロは少し照れていた。
「可愛いね、クロ」
「やめろ…。恥ずかしいだろ。」