第26章 久しぶりの。
クロはタマネギを切ると、レンジでチンをしていた。…サラダなのに、温めるんだ…。
とか思いながら、私はまだ切り終わっていないハムを切り続けた。
10分経った今、やっと切り終えると、毎回恒例のクロにやることを聞く、という行動をとる。
「次は何をやればいい?」
「じゃあ、さっき切った材料と、コーン、ジャガイモを同じ皿に入れて、マヨネーズを和えてな。」
「うん、わかった。」
私はクロに言われた通り全部同じお皿に移すと、マヨネーズを入れて、スプーンで混ぜ合わせた。
マヨネーズの量は、お母さんが入れているのを何度か見たことがあるから、分かる。だから、多分、これでいいはず…。
「クロ、出来た!」
「じゃあ、塩とコショウ入れて終わり!」
「どのくらい入れるの?」
「んー…適当じゃね?」
適当、とは…。私には無理だ。
…私が適当にやったら、きっと、味が薄くなるか、濃くなるかどっちかだ。
ちょうど言い味には100パーセントならない。…これは、確実に。
「そんな考え込む必要ねぇよ?まぁ、そんな気にすんなら、俺が見てるからやってみ。」
「うん…やってみる。」
「失敗してもいいよ。さっきの包丁とは違って、怪我はしねぇからなァ?」
最後の言葉には少し悪意を感じたけど、失敗しても大丈夫だということを教えてくれたから、挑戦してみることにした。