第26章 久しぶりの。
マッシュしたジャガイモを端に置いておき、次のやることをクロに聞いた。
「次は何をやればいい?」
「じゃあ、これ、それぞれ丁度いいくらいの大きさに切ってくれる?」
「うん…やってみる…。」
クロに渡された、ニンジン、キュウリ、タマネギ、ハムを切ればいいんだよね。
わたしは包丁を取り出し、まな板の上でまずキュウリを切ることにした。
「ちょ!待て、待て、待て!」
私は何のことだか分からず、包丁を持ったまま顔だけクロの方を向き、頭にはてなマークを並べた。
「とりあえず、包丁を置け」
「あ、うん。」
私はクロに言われた通り包丁を置くと、クロは持っていたさえ箸を置いて私の隣に並ぶ。
「こっちの手はネコの手!…じゃあ、ニンジンとタマネギとキュウリは俺が切るから、ハムだけ切ってくんね?ちなみに、短冊切りな」
短冊切り…?
なんだそれ、聞いたことない。
「短冊切りっつーのは」
クロはそう言いながらハムを小さな長方形に切った。
「これな。出来そう?」
「うん、ありがとう、クロ」
クロの形を目安にして、私はハムを切ることにした。
…ネコの手…ネコの手…ネコの手…