第25章 恋バナ
「綾菜ちゃんとテツロウって、どっちがどんなふうに告白したの?」
あの日の出来事は、今でも鮮明に覚えている。
私たちの間に起こった素晴らしい奇跡。
「私が京治の話をクロにしたんです。そしたらクロが嫉妬した、と言われまして、そこから告白をしてもらいました。」
「そうなんだね!テツロウから告白された女の子は綾菜ちゃんだけじゃない?テツロウは綾菜ちゃんのこと本当に大好きだもんね」
「そうなんですね、少し嬉しいです」
「少し、じゃなくてさ結構嬉しそうな顔してるよ?」
そう言ってエマさんは笑っていた。
…そんなに表情に出ていたのか…。それとも、エマさんの観察力がすごいのか。
どちらにしろ私が嬉しかったことはエマさんにはバレてしまっている。
少し、恥ずかしいな…なんて。
「綾菜ちゃんっていつもは無表情なのに、いじると可愛い反応するのね(笑)こりゃあ、テツロウが好きになるよ。テツロウのドストライクの顔と性格だもんね」
「クロは変な趣味してますね」
でも、ちょっと嬉しい…かな。