第25章 恋バナ
「そろそろ帰るか」
「えー…。私はまだ綾菜ちゃんと話してたいなぁー」
そっか、元々はエマさんと私だけで話をする予定だった。
「私もエマさんと2人で、もう少しお話していたいです。」
「分かったよ、…ったく。…あ、じゃあ俺お前らが話お終わるの待ってるよ。席も変えるし、それならいいだろ?」
「それは別にテツロウ次第よ。じゃあね、バイバイ」
エマさんはクロにそう言うと、クロは荷物を持って店員さんに声をかけに行った。
「やっと2人になれたね?」
「そうですね。…あ、話ってなんだったんですか?」
思い出したように伝えれば、エマさんは、あー…、と言いながら遠い空を見ていた。
「テツロウとどうなったかなって。でも、もう仲直りしたでしょ?聞く必要が無いのよね。」
「そうだったんですか…。じゃあ、クロを1人にする必要はなかったですね」
私がそう言うと、エマさんは「いや?」と私の顔を見てニヤリと笑った。
「たまには女同士の会話でもしない?」
…これ、ダメなやつだ。
とは思ったけど、たまにはそういう話もいいかな、と思いホットココアと一緒に飲み込んだ。