第24章 安心、好き、恋
エマさんに連絡だけ入れといた方がいいと思い、連絡するねと言っても、相手には伝えなくていいと言われ、今に至る。
ちなみに、今は駅前のカフェに足を踏み入れる直前。
カフェの中に入ると、小洒落なジャズの音が店内のBGMとして流れていた。
そんなBGMを横に流しながら、店員さんの声でここに来た目的を再度思い出す。
「お客様、2名様でよろしいですか?」
「いや、ここで待ち合わせをして、もう来ているらしいので、探してもよろしいですか?」
「失礼しました。どうぞ、お探しください」
店員さんとクロがすんなりと話を進めてくれたおかげで、私はただ突っ立っているだけだった。
「待ち合わせしてんのエマだろ?あっちで座ってるから早く行こうぜ」
「え…」
…なんで、知ってるの?
最初から知っていて、私に着いてきた?
ごめん、私にはよく分からないわ。…なんて考えながら、クロの後ろをくっつくようについて行った。