第24章 安心、好き、恋
「遅刻してごめんなさい」
活動場所の第一音楽室に向かい、ドアを開けると頭を下げる。
すると、私の元に駆け寄る茶色い瞳の女の子。
「先輩、目が真っ赤ですよ?ご飯の時間にゆっくりとお話聞かせてくださいね」
そういうのは、ミカちゃん。
正直、あまり話したい内容ではないけど、この子には何を言っても絶対に言わされる…。
「詳しくは話せないけど」
「了解です。…あ、先輩、楽器準備する前に、ちゃんと、目元冷やしてくださいね」
「ありがとう」
以外に優しいところもあるミカちゃん。…だけど、何を企んでいるのかが全くわからないから、正直苦手。
…あ、そっか、私顔ゆすいでくるの忘れてた。
クロはちゃんと洗ったかな?
と、考えながらお手洗いに向かい、顔を洗う。
…う、冷たい。