第24章 安心、好き、恋
綾菜はちゃんと、部活に行けているのだろうか。
1人でお風呂に入ったり、着替えられるようになったのだろうか。
綾菜と離れてからも、頭の中に浮かぶ顔は、綾菜。
同じ電車に乗っているはずなのに、同じ車両にならない。
…もしかしたら、部活行けてない?
そんなことを考えていたら、目の前に俺の大好きな綾菜が見えた。
…男に手を引かれて、連れていかれているのは…トイレ。
…これ、完全ダメなやつだろ?
綾菜は俺の顔なんて、もう見たくないかもしれないけど、もう綾菜にあんな苦しい顔をさせたくない。
そう思うと、足は自然とトイレの方へ向かっている。
男子トイレの入口には、ご丁寧に清掃中の看板が置いてある。
こんなことやったら、バレるだろ。
まぁ、俺的にはラッキーだけどな。
「痛いのは嫌いでしょ?だから、抵抗しないでね。一発出したら、金置いて帰るからさ。早く終わらせたいでしょ?」
やっぱり、これダメなやつだ。…にしても、いつ行けばいいのやら。
「お金、いりません。」
「なんで?僕こう見えて、お金もってるよ?」
「だから、お金いらない…、いやッ」
「やっぱ抵抗してもいいよ?無理矢理って1回やってみたかったんだよね」
…これ以上ここにいても、意味ねぇか。
俺はそう思い、わざとらしく音を立てて、奥へと入っていった。