第24章 安心、好き、恋
電車を下りると、階段を下って改札口に向かった。
そんな時、だった。
思いもよらない事が起こるのは。
突然、さっきのクロと同じ靴の人に手を引っ張られて、トイレの方へ連れていかれる。
…これは、やばい。
逃げなきゃ、ダメなやつだ。
こっち方面に連れてかれたら、逃げるとしても鬼ごっこ状態になって、多分負ける。
だったら、とりあえず女子トイレに駆け込もう。
そう思っても、行動に移すことは出来ず。
私は男と一緒に男子トイレに連れていかれる。
…ここなら、誰か人が入ってくる。
人によっては、助けてくれる人もいるのではないか?
とか、思ったけど、確か男はトイレの入口に、清掃中と書いてある看板を置いてきていた気がする。
…またか。また、これだ。
知らない人に連れていかれる。どうせ、みんなやることは同じ。
だけど、前と違うのは、1番心から寄り添える人がいない、ということだ。