第24章 安心、好き、恋
相手の顔は全く知らない顔で。
期待した分、ものすごくダメージを受けた。
…いや、服装で気づけよ、普通部活行くのに、私服で行くか。
頭の中でくだらないことをダラダラと考えていると、突然ズボンのポケットに入れていたスマホが音を鳴らした。
送られてきた相手はエマさんだったようで、内容を確認する。
『綾菜ちゃんなら、私よりテツロウのこと大事にできるよ!』
『テツロウは今も綾菜ちゃんのこと忘れないと思うから。テツロウと会ったら、元気に挨拶してあげてね!』
『テツロウは綾菜ちゃんのことをぜったい裏切らないから。』
エマさんからの文章はとても心に響く。
"クロは私のことを忘れない"
"クロは私のことを絶対裏切らない"
もし、偽りの言葉だとしても、今の私にとっては、ものすごく嬉しい。
…クロにあったら、元気に挨拶、か。
元気って、私とは程遠いんだけど…。
と、考えながら、『ありがとうございます。』とメッセージを送ると、ちょうど下車駅に着くところだった。