第23章 キミ色
「どうせ、綾菜風呂1人で入るの無理なんだろ?だから入んないとか意味わかんねぇこと言ってんだろ、どうせ。」
…光太郎にはバレているようだ。
だとしても、私と一緒にお風呂に入ってくれる人なんかいないだろう。
「だから、俺と一緒に入ろうぜ?」
ま、ま、…まじで?
…でも、確かにお風呂入りたいし、小さい頃入ってたんだから気にする私がおかしいのか。
「光太郎がいいなら、お願いしたいな。」
私は特に気にせず言ったけど、木葉さんはいつも細い目を少しだけ開いて言った。
「いくら兄妹でも男女で風呂はダメじゃね?」
やっぱり、気にするよね。もう、高校生だから、子供じゃない。
さっきの私の考えは間違ってはいなかったようだ。
「でも、ヤマシイ気持ちはねぇし、いいんじゃね?1人で怖い思いさせるより、俺はマシだと思ったけどなぁ?ダメなのか?」
なるほど、光太郎は光太郎なりに、考えていたのか。…納得。
「まぁ、綾菜ちゃんが言いつってんだし、いいんじゃね?…じゃあ、お二人さん、お先にドウゾ。」
「ありがとうございます」
木葉さんにお礼を言うと、一旦部屋に戻り、パジャマを取りに行った。